おいもの人生ケセラセラ

40代主婦。子育ての日常と認知症母のこと。

七草がゆ

新年も七日目。
家族の健康を祈り、七草がゆ


子どものころは、七草がゆが好きではなかったなぁ、とふと思い出す。

 

私の実家は、暦に基づいた風習を大事にする家だった。
年末は、杵と臼で本格的な餅つき。
おせち料理は、母と祖母が手作り含めて重箱に詰め、
元旦は太平洋から昇る初日の出を拝みに行き、
一家の長である父が新年の挨拶をしてから、おせちやお雑煮を食す。
節分は、柊にイワシの頭をさして飾り、豆まき。
ひな祭りや、こどもの日、お彼岸やお盆、十五夜……etc.

季節の風習を大切にすることは、祖母や父母から教わった。
そして、それらは今私が自分の子供たちに細々と教えている。

逆に夫の家では、そのような風習を大切にしてきた様子はなく、
私が季節の風習を愛でると驚く始末。
そのようなことが当たり前だった私から見ると、
家によって随分違うものだな、と私も驚く。


季節の風習を大事に、当たり前のように教えてくれた祖母や父母には
感謝している。
毎朝ご先祖様に手を合わせることも、祖母や父母がやっていたから
自然に身についた。

もちろん、そのようなことをしなくとも生きていけるし、
生活には何の支障も出ない。
だが、これは気持ちの問題だと思っている。
季節に想いを巡らし感謝する、ご先祖様に手を合わせ感謝する。
その想いの大切さを、私は教えてもらったと思っている。

今はその風習も、母は何にもできないし、しなくなってしまった。
認知症になり、暦も分からなくなってしまっているので
仕方ないとはいえ、悲しくなる。

この間の帰省の時は、仏壇の花が枯れているのが気にかかった。
いつもきれいな花を絶やさず仏壇に飾っている母を、
私は誇りにさえ思っていたのに。

まだ元気な父が、今はできることを細々とやっているのだろう。

今年両親は、七草がゆを食べたのだろうか……

 

そんな思いが渦巻く、一月七日。